(更新日:2020年6月14日 投稿日:2020年4月7日)
随時更新いたします。更新が最も新しい記事は赤字で表記しています。
新型コロナウイルスの影響に伴い、令和2年4月1日から雇用調整助成金の特例措置が実施されます。
ただし厚生労働省ホームページでは4月2日の「4月1日以降の雇用調整助成金の特例措置については、後日発表します」以降の発表がないため、現時点で分かる範囲の情報を掲載いたします。
今後、新たな情報が入りましたら、随時このページの内容を修正していきますので、あらかじめご了承下さい。
○ 6月12日に、更なる拡充の発表がありました。
- 助成額の上限が8,330円から15,000円に引き上がります。
- 解雇等をせず雇用の維持に努めた中小企業の助成率が「一律10/10(100%)」に拡充されます。
- 緊急対応期間が3ヶ月延長され、4月1日から6月30日までの特例期間が、9月末まで延長されます。
※ 1及び2につきまして、すでに受給した方・申請済みの方にも適用され、申請等不要で7月以降に順次差額分の振込がされます。
○ 6月5日 12時より、オンラインでの申請が再開します。6月5日にシステムに不具合が発生したため、再度停止中です。
詳しくはこちらのリーフレットをご覧ください。
「雇用調整助成金等オンライン受付システム」の操作マニュアルはこちらからダウンロードいただけます。
○ 5月19日に、小規模事業主(従業員が概ね20人以下の会社や個人事業主)の方対象に、支給申請が簡素化された内容が公表されました。
■ 簡素化の内容
- 助成額の計算方法が、実際に支払った休業手当により算定が可能になりました。
助成額 = 実際に支払った休業手当 × 助成率 - 支給申請書類が下記3種類(添付書類以外)のみになりました。
- 支給申請書_様式特小第1号
- 実績一覧表_様式特小第2号
- 支給要件確認申立書_様式特小第3号
- 添付書類①:売上などがわかる資料(売上簿、レジの月次集計、収入簿など) ※休業した月と前年の同じ月の2ヶ月分が必要
- 添付書類②:休業させた日や時間がわかる資料(タイムカード、出勤簿、シフト表など)
- 添付資料③:休業手当や賃金の額がわかる資料(給与明細の写しや控え、賃金台帳など)
- 添付資料④:役員名簿(性別・生年月日が入っているもの) ※事業主本人以外に役員がいない場合及び個人事業主の場合は、提出不要
- 添付書類⑤:通帳またはキャッシュカードのコピー(口座番号やフリガナの確認ができる部分のコピー)
- 給与明細の写しなど、休業手当の額が確定した書類があれば、賃金支払日以前に申請することが可能になりました。
申請書の記入方法は、下記マニュアルをご覧ください。
また、申請書はこちらからダウンロードいただけます。
○5月19日に、申請期限の延長が発表されました。
原則、支給対象期間の末日の翌日から2ヶ月以内ですが、支給対象期間の初日が1月24日~5月31日の場合は、特例により8月31日まで申請が可能となりました。
○ 5月14日に、助成額の算定方法の大幅簡略化および、雇用調整助成金の手続きがさらに簡素化される旨のリーフレットが出ました。
詳しくはこちらのリーフレットをご覧ください。
◆ 平均賃金額の算定方法の簡素化
これまで「労働保険確定保険料申告書」を用いて算定していましたが、「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」等でも算定できるようになります。
また、「所定労働日数」について、これまで過去1年分の実績を用いて算出していましたが、休業実施前の任意の1か月分等を元に算定できるようになりました。
■ 雇用調整助成金の概要
雇用調整助成金とは、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練又は出向を行い、労働者の雇用の維持を図った場合に、休業手当の一部を助成する助成金です。
このたびの新型コロナウイルスの影響で特例措置が実施され、従来よりも対象範囲が広げられ、また簡素化されています。
ただし雇用調整助成金は
「休業の実施 → 休業手当の支給 → 助成金の申請 → 助成金の支給」
という流れで支給が実施されるため、労働者に休業手当を支給してから助成金を受け取るまでに3ヶ月以上かかると思われます。(混雑が予想されるため、さらに伸びる可能性あり)
資金繰りで困らないためには、まず特別貸付を利用し、休業を行った際は雇用調整助成金を受ける、という組み合わせをご検討ください。
○ 特例措置は通常と何が違う?
1. 計画書の事後提出可と期間延長
計画届の事後提出が認められ、期間を6月30日まで延長
2. 対象労働者の要件緩和
労働者の正規・非正規を問わず、また、雇用保険被保険者でない者の休業も対象
3. 生産指標(売上等)の要件緩和
直近1ヶ月の生産指標(売上等)が前年同期比で5%以上減少の事業者が対象
4. 助成率の拡充
助成率が大幅アップ(中小企業2/3→4/5、大企業1/2→2/3に、また解雇等を行わない場合の助成率は、中小企業9/10、大企業3/4)
5. 支給限度日数の拡大
1年間の支給限度日数100日とは別に、4月1日~6月30日の緊急対応期間の支給日数が対象
○ 対象事業主
雇用保険適用の新型コロナウイルスの影響を受ける企業、個人事業主(全業種が対象)
○ 対象労働者
休業日が緊急対応期間(4月1日~6月30日)までの場合、雇用保険被保険者でない従業員も対象
休業日が上記日程以外の場合は、雇用保険被保険者の従業員が対象
○ 助成率
- 解雇なしの場合(大企業)休業手当日額×3/4 (中小企業)休業手当日額×9/10
- 解雇ありの場合(大企業)休業手当日額×2/3 (中小企業)休業手当日額×4/5
※ 休業手当日額:平均賃金×60%以上(休業手当の支給率)
※ 従業員1人の1日当たりの日額上限:8,330円
4月25日に更なる拡充といたしまして、助成率を10/10とする方針が発表されました。
- 拡充1 休業手当の支払率60%超の部分の助成率を特例的に10/10
解雇等を行わず雇用を維持し、60%超の休業手当を支給する場合、60%を超える部分に係る助成率が特例的に100%となります。
- 例示(中小企業の場合)休業手当日額 5,000円
現行:5,000 × 9/10=4,500円
拡充:(5,000円 × 60% × 9/10)+(5,000円 × 40%)=4,700円
会社負担が10%から6%になり、4%軽減されます。
※従業員1人の1日当たりの日額上限は8,330円です。
- 例示(中小企業の場合)休業手当日額 5,000円
- 拡充2 一定の要件を満たす場合は、休業手当全体の助成率を特例的に10/10
休業等要請を受けた中小企業が解雇等を行わず雇用を維持し、下記の要件を満たす場合には、休業手当全体の助成率が特例的に100%となります。- 要請により、休業又は営業時間の短縮を求められた対象施設を運営する事業主であって、これに協力して休業等を行っていること
- 以下のいずれかに該当する手当を支払っていること
1.労働者の休業に対して100%の休業手当を支払っていること
2.上限額(8,330円)以上の休業手当を支払っていること(支払率が60%以上の場合に限る)
※ 適用日は4月8日以降の休業に遡及(4月8日以降の期間を含む支給単位期間)して適用されます。
○ 計画書の提出
休業日の初日が1月24日~7月23日の場合、6月30日まで事後提出が認められる
○ 生産指標要件
計画書提出日の前月と、昨年の同月(1年未満の会社は令和元年12月と比較)を比較し、売上が5%以上低下している
○ 休業日数
判定基礎期間における対象労働者に係る休業等の実施日の延日数が、対象労働者に係る所定労働延日数の1/40(大企業の場合は1/30)以上必要
原則として全1日単位(終日)の休業が必要ですが、終日ではなく短時間休業を行う場合は、1時間以上、かつ従業員全員が一斉に休業した場合は助成金の対象になります
例示:賃金締切日が15日(4月16日~5月15日)、土日祝休み、従業員10名の場合
所定労働日数18日×10名=180日
上記計算式により、所定労働延日数が180日となります。
この180日に対して1/40(大企業の場合は1/30)以上が必要となりますので、4.5日(大企業の場合6日)の休業日数が必要になります。
※1/40(大企業の場合は1/30)以上に満たない場合、助成金の対象となりませんので、休業計画をきちんと立てる必要がございます。
※休日・有給休暇を休業日には含められません。
※ 判定基礎期間:賃金締切日の翌日から次の賃金締切日の間の期間
※4月12日に発表されました特例措置の拡大にて、休業規模の要件が変更されました。
※ 短時間休業について、緊急対応期間中(4月1日~6月30日)は、次のような一定のまとまりで行われる短時間休業も支給対象となりました。 ① 立地が独立した部門ごとの短時間休業(部署・部門ごとの休業) 例)客数の落ち込んだ店舗のみの短時間休業、製造ラインごとの短時間休業 ② 常時配置が必要な者を除いた短時間休業(職種・仕事の種類ごとの休業) 例)ホテルの施設管理者等を除いた従業員の短時間休業 ③ 同じ勤務シフトの労働者が同じ時間帯に行う短時間休業(勤務体制ごとの短時間休業) 例)8時間3交替制を6時間4交代制にして2時間分を短時間休業 |
○ 支給限度日数
1年間で100日(従業員1人あたり)+緊急対応期間
■ 助成金支給までの流れ
■ 休業手当を従業員に支給する際の注意点
「いくら控除して、いくら手当を払ったのか」という内訳を給与明細や賃金台帳に残してなければ、助成金の支給申請が通らない場合がございます。
給与計算をされる際は、給与明細及び賃金台帳に休業日数、休業分の控除、支給した休業手当をきちんと明記しましょう。
例示:月給220,000円、所定労働日数22日、1日あたり10,000円の方が、15日休業、休業手当60%の場合
■ 初回提出書類一覧
休業等実施計画(変更)書_様式第1号(1)5月19日より、提出が不要になりました。- 雇用調整実施事業所の事業活動の状況に関する申出書(新型コロナウイルス感染症関連)_様式第1号(2)
- 添付書類:「売上」が分かる既存書類のコピーで可に(売上簿、営業収入簿、会計システムの帳票等)
休業・教育訓練計画一覧表_様式第1号(3)作成不要になりました (様式第5号(3)として提出可)雇用調整実施事業所の雇用指標の状況に関する申出書_様式第1号(4)作成不要になりました- 休業協定書
- 添付書類①:労働者代表選任書(休業・教育訓練実績一覧表の協定をした労働者代表に署名または記名・押印があれば省略可)
添付書類②:委任状不要になりました
- 事業所の状況に関する書類 既存の労働者名簿及び役員名簿で可。資本額を示す書類は不要
※4月12日に発表されました特例措置の拡大にて、提出書類が簡素化されました。
※ 雇用保険被保険者以外の労働者がいる場合は、緊急雇用安定助成金の書類も提出が必要です。(詳しくは下記Q&AのQ10をご覧ください。)
■ 支給申請提出書類一覧
- 支給要件確認申立書・役員等一覧_様式第6号
- 休業等支給申請書_様式第7号
- 助成額算定書_様式第8号
- 休業・教育訓練実績一覧表_様式第9号 日付毎の記載は不要とし、日数合計のみで可。残業相殺の停止により、残業時間の記載不要になりました。
添付書類①:労働保険料に関する書類添付不要になりました- 添付書類②:労働・休日の実績に関する書類 出勤簿やタイムカードの写し(手書きのシフト表などでも可)、就業規則または労働条件通知書の写しなど
- 添付書類③:休業手当・賃金の実績に関する書類 賃金台帳の写し(給与明細の写しなどでも可)、給与規定または労働条件通知書の写しなど
※4月12日に発表されました特例措置の拡大にて、提出書類が簡素化されました。
※ 雇用保険被保険者以外の労働者がいる場合は、緊急雇用安定助成金の書類も提出が必要です。(詳しくは下記Q&AのQ10をご覧ください。)
雇用調整助成金ガイドブックはこちらからダウンロードいただけます。
各申請書の記載例が掲載されておりますので、参考にしてください。
緊急対応期間(4月1日~6月30日)中に休業を実施した場合の、雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)4月24日版はこちらからダウンロードいただけます。
その他の期間に休業を実施された場合は、通常の雇用調整助成金ガイドブックを参考にしてください。
※4月15日に雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)が更新され、記載例が追加されました。
■ よくある質問
(随時更新)
Q1:休業手当を100%支払った場合、助成金の支給対象になる?
休業手当は平均賃金の60%を支払うことが義務付けられておりますが、60%を超えて支払った休業手当も、支給要件に合致すれば、雇用調整助成金の支給対象となります。
Q2:計画書の事後提出は、緊急対応期間の6月30日までなら、何度でも提出していい?
計画書の事後提出は、初回のみ認められております。
初回に提出できる計画書は最大3判定基礎期間分なので、4月から休業した場合、4~6月分の計画書まとめて提出することができます。
なお、7月以降も助成金を受給したい場合は、計画書の提出が2回目となりますので、計画実施の前日までに提出しなければいけません。
Q3:休業手当は毎月同じ支払率でないといけない?
休業協定書を作成する際に、労使間での話し合いにより支払率を決定することができますので、4月は80%、5月は60%など変更が可能です。
Q4:休業日数は全員同じにしなくてはいけない?
全員同じにする必要はありません。
この人は2日、あの人は4日など、全員バラバラでも問題ありません。
Q5:支給申請書の提出が遅れたらどうなりますか?
判定基礎期間が4月16日~5月15日の場合、支給申請書の提出期限は5月16日~7月15日となります。
7月15日を1日でも過ぎると、支給申請を受け付けてもらえませんので、必ず期限までに提出しましょう。
Q6:従業員に支給する休業手当を計算する際の平均賃金と、助成額を計算する平均賃金は同じですか?
従業員に支払う休業手当と助成額の計算はまったく異なります。
- 休業手当を計算する際の平均賃金の計算式
直近3ヶ月の賃金総額 ÷ その期間の総日数で割った金額=平均賃金
この平均賃金に60%(60%~100%)を掛けた金額が、従業員に支払う休業手当になります。
※上記計算式は従業員1人1人計算しなければいけません。 - 助成額を計算する際の平均賃金の計算式
前年1年間の雇用保険料の計算で使用した賃金の総額 ÷ (前年1年間の1ヶ月平均の雇用保険被保険者数 × 前年の年間所定労働日数)=平均賃金
この平均賃金に60%(60%~100%)を掛けた金額が基準賃金額となり、基準賃金額に助成率を掛けた金額が助成額となります。
Q7:休業日に従業員が自主出勤してきた場合は助成金の対象になる?
対象になりません。
出勤した分を除いて支給申請を行ってください。
もし、休業扱いで支給申請を行った場合は、不正請求と見なされる場合がございます。
Q8:通常勤務日に残業を行った場合、どうなりますか?
休業日と残業の相殺を行わなければなりません。
残業も見込んで休業計画を立てましょう。残業相殺制度が当面停止となりました。
Q9:正社員とパートで休業手当の支給率が異なる場合、助成金の支給率はどうなりますか?
助成金の算出には、低い方の支給率を用いて算出しなければいけません。
正社員の支給率が80%、パートの支給率が70%の場合、助成金は70%の支給率で算出を行ってください。
Q10:緊急雇用安定助成金とは何ですか?
緊急雇用安定助成金は、雇用保険被保険者以外の労働者に支給した休業手当に対しての助成金です。
雇用保険被保険者に休業手当を支払う場合:雇用調整助成金
雇用保険被保険者以外に休業手当を支払う場合:緊急雇用安定助成金
上記のように、助成金の種類が異なりますので、雇用保険被保険者以外に休業手当を支給された場合は、「雇用調整助成金」「緊急雇用安定助成金」2種類の申請が必要になります。
なお、添付書類は雇用調整助成金と共有が可能です。
申請様式はこちら、雇用調整助成金の様式ダウンロード(新型コロナウィルス感染症対策特例措置用)内の「雇用保険被保険者以外」の様式になります。